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千秋楽の行事

本場所の最終日を「千秋楽」や「楽日」と言います。千秋楽には優勝決定戦・優勝力士の表彰・三役揃い踏みなど特別なイベントや儀式が多いので取組の進行も普段より早くなります。

 

三賞選考委員会と三賞表彰式

千秋楽の幕内取組前、午後1時頃からは審判委員・相撲記者クラブ員・維持員から成る三賞委員が三賞選考委員会を開き、その場所で活躍した力士の選出をします。「千秋楽で勝ち越したら」という条件が付いたりもしますが、受賞が決定した力士は取組後にインタビューを受けたり、優勝者の表彰が終わった後に表彰されます。

 

十両以下優勝決定戦と表彰式

十両以下の各段の表彰式は幕内土俵入り前にあります。星が並んでいる場合はどの段であってもこの時に優勝決定戦が行われるので、幕下以下の力士はいつもよりギャラリーも多く暖まった会場で緊張した面持ちで取組に臨んでいます。インタビュールームに呼ばれて優勝インタビューも行われるのですが、受け答えに慣れていなかったり意外とノリが軽かったりと、若い力士の初々しいインタビューも楽しめます。

 

三役揃い踏み

幕内取組が残り3番になると、「これより三役~」というアナウンスが流れ、東西から各3人が土俵に上がって四股を踏む「三役揃い踏み」をします。3人のフォーメーションも決まっていて、東方は扇形で、西方は逆扇形。三役というのは「小結」「関脇」「大関」のこと。明治時代以前の名残なので、大関が最高位ということになっています。でもここで四股を踏む力士は必ずしも小結以上というワケではなく、残り3番に登場する力士が土俵に上がります。つまり、上位陣の休場が多かったり、その場所で頑張って優勝候補に入ったりして残り3番に取組が組まれていると平幕力士でも登場する場合もあるんです。これ以降の取組3番は「役相撲」と言って、勝利力士には懸賞と一緒に小結(結び2番前)に適う者として「矢」・関脇(結び前)に適う者として「弦」・大関(結び)に適う者として「弓」が渡されます。これは平安時代の相撲節会が由来なのだとか。よく聞くと勝ち名乗りのときに行司さんが「役相撲に適う○○」と力士の名前を呼び上げているのがわかります。実は結びだけは呼び上げは普通で、弓は弓取り力士に渡されます。

 

幕内優勝決定戦

幕内でも星が並んでいる場合は他の階級と同じように優勝決定戦が行われます。幕内の優勝決定戦は本当にハラハラします。力士も本割(決められた取組)以上に緊張するのではないでしょうか。本割では同部屋の力士が対戦することはありませんが、優勝決定戦だけは別で、兄弟弟子同士が取組むことも。同点者が3人なら「巴戦」と言ってくじで先に相撲を取る2人を決め、誰かが2連勝するまで続きます。4人ならトーナメント戦で、それ以上の場合はくじでトーナメント戦をして3人になった時点で巴戦になります。

 

幕内最高優勝者表彰式

幕内最高優勝者は、東の支度部屋で大銀杏を整えた後土俵下でインタビューを受けます。優勝力士の生の声に会場も大盛り上がり。表彰式では優勝旗と天皇賜杯の授与を始め、内閣総理大臣賞や毎日新聞賞など様々な賞の表彰があります。表彰式が全て終わると優勝力士は再び東の支度部屋に戻り、後援者とともに万歳三唱して賜杯を抱いて記念撮影します。その後は紋付き袴に着替え、優勝旗と共にオープンカーに乗って優勝パレード。これはテレビでもよく見ますよね。

 

出世力士手打式(しゅっせりきしてうちしき)と神送りの儀

全取組が終わればこれで終了というワケではなく、土俵ではまだ大切な儀式が残っています。それが「出世力士手打式」と「神送りの儀」。出世力士手打式では、その場所で出世披露された新弟子たちがお神酒をふるまわれ、部屋付きの若者頭や世話人、場内の観客とともに三本締めをします。この後一番格下の行司を新弟子たちで胴上げするのが神送りの儀。神が宿って結界の意味を持つ土俵を、この儀式で神様を送って普通の場所に戻すのだそう。
名前や意味だけ聞くと神事っぽい儀式ですが、実際目にするとほほえましい感じですよ。

 

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