相撲の仕組み

取組編成

本場所での取組は「割(わり)」とも言われ、十両以上は一場所十五番・幕下以下は七番。これを決めるのが取組編成会議です。
国技館では「取組編成室」という部屋があって、そこで会議が行われます。会議で取組を決めるのは審判部で、行司も書記役として同席します。優勝決定戦を除いて1日一番、同じ場所では同じ力士との対戦は1回しかありません。初日・2日目の取組は初日の2日前、3日目以降は前日に編成されますが、編成後に休場の力士が出た場合などは不戦勝となって取組が見られないことも。休場が決まったら所属部屋の師匠が審判部長に迅速に理由と共に届け出る決まりです。千秋楽の取組は14日目の夕方、成績を加味して決定されます。

けっこうギリギリに決めるから盛り上がる対決が多いんですね。 取組は基本的には各階級別に番付を参考に、9条から成る「取組編成要項」を元に組まれます。休場者や成績によっては幕内下位対十両上位、十両下位対幕下上位のように階級を超えて取組が組まれることもあります。

 

基本的な組み合わせ

基本的には上位は上位同士、下位は下位同士の対戦から始まります。関脇や小結などは最初に横綱・大関戦を組まれるのでこれが前半の大きな見どころ。中盤以降は星の並んでいる好成績力士同士の対戦が増え、千秋楽が近づくと大関対横綱や横綱同士の対戦が組まれて場所はどんどん盛り上がります。優勝候補の力士は下位でも終盤以降に大関や横綱と対戦が組まれることも。千秋楽の結びは必ず出場する力士のうち番付最上位と番付2番手との対戦になります。
また、部屋別総当たり制となっているので、同じ一門の中での取組はあっても同部屋同士・兄弟同士(正確には4親等以内)の対戦はたとえ横綱や大関であっても割は組まれません。同部屋力士の絆や稽古の活発化を狙ってのことでしょう。ただし優勝決定戦は別。過去には若貴対決など二子山部屋の兄弟対決もあって話題になったりしましたが最近は全然ありませんね。

 

「巻」について

取組編成会議は「巻」と呼ばれる文字通りながーい巻物を広げて行われます。この巻には最初に場所名と「鏡」という字を記して取組編成に不正・邪心・間違いがないことを表しています。巻を書くのは行司の仕事で、場所前に相撲字で東西全力士の四股名を番付順に書きます。相撲協会のTwitterで巻を一生懸命書く行司の姿を公開していたりもしますよ。

巻に書かれた四股名の上下には空白があり、勝った場合は上・負けたら下に対戦相手の四股名を書くことになっていて、それをもとにして次の取組を決めます。対戦が決まった力士は白い碁石を置いて対戦漏れやダブりがないかチェックしています。書き込むのはもちろん行司の仕事です。更にチェック漏れを防ぐために、巻とは別に「早見表」なる星取表も存在し、マスの中に取り組んだ日程と結果を記載していくようになっています。

 

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