相撲の仕組み

明け荷

力士は巡業や地方場所で移動が多くて大変。一緒に荷物も行ったり来たりしなければなりません。十両以上にもなると、稽古廻しの他にも締込・化粧廻しや座布団など、荷物も多くなります。それらの荷物を入れるのが「明け荷」と呼ばれるつづらです。

明け荷は竹で編んだ部分に和紙を張り漆が塗ってある木製の箱で、大きさは縦45㎝・横80㎝・高さ30㎝。重さは10㎏とずっしりしていますが、締込や化粧廻しなど必要なものをぎゅうぎゅう詰め込めば重くなるのは当然ですよね。

明け荷を使っていいのは十両以上の関取だけ。幕下以下は必要なものは風呂敷に包んで移動しています。十両から陥落しちゃえば持っていても当然使用禁止です。十両に上がると同期生や後援会が明け荷をプレゼントするのが最近の慣例の様で、明け荷の縦側面には関取の名前以外に、「贈○○」と贈った人の名前が書いてあります。

 

 

明け荷の中身

 

明け荷の中身は、土俵上で使う締込や化粧廻しの他に支度部屋で使うものや土俵下で使う座布団など必需品が纏めて入れられています。

 

関取の明け荷

 

締 込

十両以上の力士にとって締込は土俵に上がる時の必需品。
締めるときは折って使いますが、移動の時は広げてたたんで持っていきます。

さがり

土俵に上がる時は締込にひも状のさがりを挟み込みます。
さがりは折れないように2つ折りにしたボール紙に挟んで収納します。

 

座布団

座布団は支度部屋で使います。
長い座布団は体の大きな力士が座るので普通より3倍ほども大きいのです。

化粧廻し

土俵入りの時に使います。土俵入り直前に締めます。

 

浴衣・帯

取組を終えて風呂に入った後着替えます。

控え座布団

土俵下の溜席で控えに座る時に使う四股名入りの座布団です。

 

テーピングなどその他小物

 

取組の時に使うサポーターやテーピング、タオル、締込に水を含ませるための霧吹き、取組後風呂に入る時の入浴セット、浴衣を着て移動する時に履く雪駄なども入っています。

 

横綱の明け荷

 

関取の明け荷は1つだけですが、横綱だけは三つ揃えの化粧廻しやしめ縄で荷物も増えるので、3つまで持っていいことになっています。緑色ベースの明け荷の蓋と横側面には関取の名前が朱色で入っていて、誰のものかはすぐわかります。トラックに乗せる時は傷がつかないようにパッキングされ、トラックから支度部屋までは付け人が肩に担いで運びます。場所中は支度部屋に置きっぱなしになります。

 

 

 

三つ揃えの化粧回し

横綱土俵入りの時に露払い・太刀持ちと
セットでつける三つ揃えの化粧回しです。

横綱

横綱土俵入りの時に化粧回しと一緒につけるしめ縄
「横綱」も明け荷に入れて運びます。

 

行司の明け荷(十両格以上)

 

行司も装束や軍配など荷物が多いので明け荷を使うことが許されています。明け荷を持てる行司は十両格以上と決まっています。支度部屋にある道具入れなので、関取よりも先に会場入りすることもあってなかなかお目にかかれませんが、国技館の売店などでは明け荷を模したグッズもいろいろ売られていて関取気分を楽しめますよ。

 

直 垂

肌襦袢

 

軍 配
 


草履と足袋

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