相撲の仕組み
ちゃんこの語源は、中国の「チャンクォ」という鍋の名前だとか、料理番をおやじという意味で「ちゃん」と呼び、親しみを込めて「こ」がついて「ちゃんこ」になったとか、父親=親方「ちゃん」と子供=弟子「こ」が一緒に食べるからとか諸説ありますがどれもそれっぽいのでこの際どれでも良し。
ちゃんこと聞くと具だくさんの鍋料理を思い浮かべる人が多いと思いますが、実は力士が作って食べる食事ならメニューに関わらずひっくるめてちゃんこと呼びます。だからカレーもちゃんこ、ハンバーグもちゃんこ、もちろん鍋でもちゃんこ。
場所中は「地面に手を着かない」というゲン担ぎで鶏肉を食べる部屋も多いです。部屋の力士たちは、稽古の後と夕方に栄養たっぷりのちゃんこをいっぱい食べて体を大きくしていきます。力士の体はちゃんこからできているんです。
実際のところ、「ちゃんこ鍋」を食べるのは朝稽古の後がメインです。手早く大量に作れ、煮込むので消化も良く、スープで体も温まるのが理由で、体を大きくするのにはもってこいというワケです。ちゃんこ鍋の味付けは色々で、鶏がらベースのソップ炊き・醤油・味噌・塩などスタンダードなものからカレー・トマト・中華風のアレンジもあったりとバリエーション豊かでなんだかラーメン屋みたいですね。これも毎日の食事を飽きさせない工夫の一つです。
夕方のちゃんこは、量は置いといて意外と普通のメニューも多く、関取は外食も多いし結婚していれば家に帰って奥様の手料理を食べることもあるみたいです。 各部屋には「ちゃんこ長」と言われる幕下以下の年長力士がいて、ちゃんこ長をメインにして若い衆が「ちゃんこ番」と呼ばれる食事当番をし、買い出しや調理を手伝います。地方場所では差し入れが多いので即席の料理を作ることもしょっちゅうです。部屋によっては数十年やっているちゃんこ長なんかもいて、スタミナのつく食材をいれたり、夏場は食べやすく工夫したりともはや栄養士同然。腕のいいちゃんこ長は、引退後にちゃんこ鍋屋さんを開店したりもしています。
栄養たっぷりで健康にも良いので、最近では元力士のちゃんこ屋がウマいちゃんこNo.1を競う「ちゃんこ1グランプリ」なんていうのもあったりします。
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