スモウマガジン
ちゃんこ料理会のキングオブレジェンド ちゃんこ川崎さんに予約無しで突撃(食事)しました。
元力士の横手山関が、昭和12年(1937)に創業し、力士たちが食べる「ちゃんこ」を料理店のメニューとして最初に取り入れた東日本エリアで最古のちゃんこ屋さんとの事です。関取だった初代の味を受け継ぎ80年余り、味一筋こだわりのお店です。場所は両国駅前の大通りから一本裏になりますが、徒歩圏内。外観は老舗の伝統ある佇まい、内装も昭和初期のレトロな雰囲気でとても風情があります。
18:30頃に2名で行ったということもあって、入ってすぐのカウンターになんとか着席することができました。大将いわく、カウンター6名分はフリー客用、座敷や個室は予約制との事で人数が4人以上なら予約無しでは入れないと思います。両国開催の大相撲場所中だったら完全に無理だと思いますのでご注意下さい。
メニューは美味しそうな鶏料理がズラリと並んでおり、ちゃんこ鍋を中心にそれぞれアラカルトで注文しようと考えていたところ、「ちゃんこコース」というの発見!!内容を確認すると、お通し二品、サラダ、とりわさ、焼き物2本、鶏ちゃんこ鍋という、往年の読売巨人軍を彷彿(どの辺が?)とさせる強力打線。これだ!これしかない!と思い「ちゃんこコース」をオーダーしました。ちなみにカウンター席のみ、ちゃんこ鍋を注文するとサービスでお餅が付いてきます。
オーダー後にふと店内を見渡すと、平成初期の一大相撲ブームを支えた歴代横綱お三方の色紙があるじゃないですか!!(左から曙関、若花田(若乃花)関、貴花田(貴乃花)関)相撲界のレジェンド達がここに集うとは、まさにちゃんこ屋さんの聖地ですね。ピンクの電話も懐かしいー(そう言えばそんな芸人もいた記憶がw)
そうこうしているうちにテンポよく食事が運ばれてきました。大将もほかの店員さんも、下町情緒あふれる粋な方達でいろいろと親切に世話を焼いてくれます。
ここからは料理のご紹介。写真左上は「とりわさ」(うっかり半分くらい食べた後の写真です。すみません)しっとりモッチリとした食感で抜群の鮮度と鼻を突き抜けるワサビの爽快感は癖になること間違いなし!箸が止まりません!右上が一本の串に「ハツ」「レバー」「モツ」が刺さった珍しいヤツでして、ハツのコリコリ感、レバーのふわっとトロっと感、モツのしこしこ感のハーモニーが酒のあてにピッタリの一品!左下が「鶏もも肉」です。もも肉のジューシーで上品な油とすだちのマリアージュで脳内がメロメロになります。右下がつくね。ハンバーグ型のゴロっとした粗挽きのつくねはホロッとした食感で、秘伝の甘タレとつくねの肉汁で旨味がスゴいです。白飯が欲しくなりますよ。
カウンター前の料理場です。職人さんや大将の真剣な眼差しがカッコいいですね。丁度しゃぶしゃぶ用の生三つ葉を盛り付けています。他のカウンター席は常連さんのようで調理しながらの接客トークも見事です。家屋は歴史ある建物ですが、焼き鳥など調理する設備は最新っぽい感じでした。ちなみにトイレも超ピッカピカで隅々まで気配りが行き届いているんだなーの関心しっぱなしでした。
こちらがメインのちゃんこ鍋になります。種類は鶏ガラで丁寧に出汁をとった「ソップ炊き」と呼ばれる「鶏ちゃんこ」のみで、お店の方が随時タイミングを見計らって鍋の様子を見にきて具材を入れてくれます。具材は鳥もも、鶏レバー、鶏砂肝、油揚げ、葱、白菜、大根、ごぼう、豆腐、人参、シラタキと具材がたくさん入ったヘルシー鍋です。味はお上品で繊細なさっぱりスープ、なのにサッと煮た野菜にシッカリと味染み込んでいて、めちゃくちゃ美味い!女性二人でもペロッといけると思います。
ちなみに鶏は「地面に手を着かない」というゲン担ぎで勝負飯として食べる力士も多いんだとか。
こちら大将オススメの三つ葉のしゃぶしゃぶです!三つ葉の入れるタイミングや食し方は人それぞれで決まりはありません。普通に鍋に入れてもよし、雑炊時に入れてもよしですが、せっかくのオススメだったのでしゃぶしゃぶしてみました。美味!美味!でもまぁ、個人的には雑炊まで取っておいても良かったかもしれません。お好みでどうぞ!
最後は〆の雑炊。スープが旨すぎて既にほとんど飲み干してしまったのですが、サービスでスープを追加して頂きましたw
ごはんはこだわりの麦飯です。ごはんの量はあらかじめ訊いてもらえます。また、ちゃんこと同じくお店の方が調理して頂けるので安心です。仕上げの卵は溶き過ぎず、敢えて黄身と白身がマダラになるようにしているそうです。理由は….聞きそびれました(この時点でかなり酔ってしまいました)鶏ちゃんこのスープで作った雑炊は当然美味いです。ただ、想像以上にご飯が膨れ、食べすぎてしまいますので、余裕をもってごはんの量を調整して下さい。
この日は丁度一桁の気温でめちゃ寒かったので、身体の心まで温まる鶏ちゃんこ鍋は格別でした。老舗の伝統ある建物とこだわり料理の数々、紛れもない名店です。味・雰囲気共に相撲ファンならずとも大満足間違い無しでしょう!
川崎(かわさき) 店舗情報
住所 :〒130-0026 東京都墨田区両国2-13-1
TEL:03-3631-2529
アクセス :JR両国駅より徒歩3分 両国駅から210m
営業時間 :17:00~22:00
定休日:日曜日、祝日(大相撲東京場所初日の日曜日は営業)
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