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番 付

大相撲には「番付が一枚違えば家来同然、一段違えば虫けら同然」という言葉があります。

番付は力士のランキングを表すものですが、「そんなこともアカンのかい!」と突っ込みたくなるほど他のプロスポーツではあり得ない待遇の差があり、「番付社会」と呼ばれる理由なのです。特に十両以上と幕下以下では衣食住全てがまるで別世界。一番わかりやすいのがお給料です。幕下以下は、場所ごとに数万~十数万円の手当てが出るぐらいで基本無給。十両以上になれば月給100万円以上が保障され、幕内ともなれば懸賞や金星、三賞のボーナスなどもついてきて左団扇です。

それだけでなく、番付の低い若い衆は関取の付け人として風呂や食事などの世話をしなければならず、風呂に入るにもちゃんこにありつくにも、何から何まで番付順。辛くて途中で部屋を辞めてしまう若い衆もいたりしますが、皆十両以上の優雅な生活夢見て、強くなるために日々厳しい稽古を積むのです。

 

大関

昔は大関が最高位だったのですが、明治時代からは横綱が最高位と明文化され、今は横綱に次いで2番目の地位です。
大関ともなると会場入りも自家用車使用OKで、地下駐車場に直接乗り入れることが多いので、国技館で外で出待ちするのはなかなか至難の業。また、化粧廻しの下のフリンジ「馬簾(ばれん)」の色に紫色を使用できるのも大関以上の特権なのです。

 

関脇・小結(三役)

横綱・大関に次ぐ地位の関脇・小結をひとまとめにして「三役」と呼びます。
関脇と小結で待遇に差はなく、給与も同じですが、関脇の方が安定して強いという認識で良いでしょう。
三役より下の平幕ならば横綱を倒せば金星がつくのですが、三役以上が倒しても金星はつきません。

 

前頭

平幕とも言い、前頭までの地位を「幕内」と言います。「東または西前頭枚目」という表現で強さがランキングされ、同じ枚数なら東の方が強いことになります。東前頭筆頭(1枚目)から下は東前頭17枚目まであり、幕内の定員42名のうち三役以上を除いた人数で何枚目まであるか決まります。平幕の給料は全員同じですが、幕内力士ともなると自分の四股名入りの着流しや浴衣を着れるし、座布団も四股名入り、懸賞もついてリッチな生活を送れます。

 

十両

十両以上は「関取」と呼ばれ、インタビューなどで「○○関」と呼ばれるのはそのためです。正式には「十枚目」といい、ここまでくれば一人前。給料がもらえるようになるほか、「大銀杏を結う」「締込(取組のまわし)がシルクになって色も選べる」「化粧廻しを付けて土俵入り」「下がり(まわしの下から出ている紐)をのりでパリッと固める」と相撲を取る時も一流になります。取組の時以外でも「部屋では個室を使える」「付け人がつく」「稽古の時白木綿のまわし」「紋付羽織袴・白足袋着用可」「畳敷きの雪駄」など待遇がグッと良くなるのです。

 

幕下

十両の下の階級を幕下と言います。幕下力士は着流しを着る際に博多帯を締めることが許されます。また、番傘・マフラーも使用可。幕下になるまでは外食すらできず、部屋で他の力士と寝食全てを共にするのです。

 

三段目

雪駄を履けるようになりますが、素材はエナメルと決まっています。足袋も黒足袋なら着用できます。また、公式の場では羽織を着ることも認められています。

 

序ノロ・序二段

入門して前相撲を終えるといよいよ番付に名前を記して相撲人生の始まりです。最初は序の口、その上が序二段で、序二段以下は裸足に下駄、着流しの帯はちりめん帯と決まっています。最近では「付け出し」という制度もあって、アマチュアや大学相撲で好成績を収めて入門した力士は「幕下付出」「三段目付出」などで下の階級をスキップできることも。

 

 

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