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屋形と土俵

土俵は神聖な場所。男女平等が一般的な現在でも女人禁制や、初日前日には本場所の安泰を願い土俵を清めて神様を迎える「土俵祭(どひょうまつり)」を始め神事としての要素が色濃く残っています。実は江戸時代初期まで土俵はなく、「人方屋(ひとかたや)」という見物の人垣が土俵代わりで、大きな力士が飛んできてケガ人やケンカ続出で危険だったので土俵を造ったのだとか。

土俵の大きさは、6.7m四方・高さ66㎝ほど。土を盛った土俵の上には土や砂が混ぜ入れてある俵を使っています。俵の種類は「勝負俵」「徳俵」「角俵」「上げ俵」「踏み俵」の5つで、円形の勝負俵の外側に蛇の目、真ん中に仕切り線があります。驚くべきことに、これ全部場所前に呼出さん総出で作り上げるんです!

土俵の上にある「屋形」は昔は柱の上に屋根を立てて青・赤・白・黒の布を柱に巻きつけていたのですが、1952年からはテレビで見やすいように現在のつり屋根になり、柱の布の代わりに屋根の4角に同じ色の房を下げています。

 

屋形

屋形は2本のワイヤーで吊り下げられ、国技館での相撲以外のイベントの時は天井付近に吊り上げられています。
重さは約6.25tありますが、ワイヤーは十分な強度なのでご心配なく。屋形の形は、伊勢神宮などと同じ「神明造」です。満員御礼の時は札が屋形の上にでていますね。

水引幕

水引幕は、屋形に取り付けられている桜の紋が入った紫の布のことです。相撲は元々地鎮や鎮魂のための奉納神事だったので、本来の意味はお葬式で使われる水引幕と同じなんですよ。ちなみに桜の紋は相撲協会のシンボルマークみたいなものです。

屋根の4角からぶら下がっている房は、東(東北)から時計回りに青・赤・白・黒の4色で、1個につき重さ25㎏、長さ2.3m、太さ70㎝と意外とデカい!4色なのにはちゃんと意味があって、それぞれ四神と四季を表しています。 青…「青龍」と「春」 赤…「朱雀」と「夏」 白…「白虎」と「秋」 冬…「玄武」と「冬」

揚巻

水引幕の真ん中を結んでいるチョウチョ結びみたいな紐は「揚巻(あげまき)」と言います。この結び方は「揚巻結び」と言って、神社なんかで神前幕を結ぶやり方と同じです。

大相撲はよく見ると隅々まで古来の伝統があるのでびっくりしますね!

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