相撲観戦に行こう
大相撲の取組の際、土俵下の溜り席にはぐるりと色んな人が土俵を囲んでいます。正面には審判長が中央に座っているのみですが、東西にはそれぞれ審判委員を挟んで控えの力士が2人ずつおり、向正面の外側には東西呼出と、控え行司を真ん中にして白房側(西側)に審判委員、赤房側(東側)に時計係を兼ねた審判委員がいます。
結び後には弓取式を行う力士が向上面中央に座ります。また、西の花道の最前列桝席では行司が力士の紹介や決まり手の場内放送をしています。ちなみにこの時の行司さんの服装は装束ではなくネクタイ姿です。
呼出は、たっつけ袴をはいて土俵に関する雑務を全てこなします。会場では西花道脇に控えて懸賞旗を持って土俵を回ったり、土俵を掃いたり、土俵上で力士の呼び出しもしますが、東西の土俵の房下にいる呼出は「塩の補充」「力水・力紙の管理」「制限時間の伝達」「力士にタオルを渡す」などがあります。取組中力士が落ちて来ようものなら、塩の箱と力水桶を持って逃げたりもしています。他にも大小色々やることがあるので、全部に気を配るのはとても大変そう。
審判委員は相撲協会の「審判部」の20人が交代で全取組務めます。正面・東・西に各1人、向正面に2人の計5人で全方向から審判し、正面は審判長で向正面の赤房側は時計係と決まっています。判定に疑問があれば「物言い」をつけ、全員が土俵中央に集まって協議をします。審判委員は「年寄」と呼ばれる往年の元名関取たちばかりなのも隠れお楽しみポイントです。
正面の土俵溜りにただ一人座る審判長は、審判部の部長か副部長が務めます。物言いの協議の後にマイクを持って説明をしたり、協議で意見が分かれた時どうするかの最終判定を下したりします。
取組までの仕切りには階級ごとに制限時間が決まっています。前の取組までの勝負が長引いたりすると制限時間は短くなることも。この制限時間を計っているのが時計係を兼ねた勝負審判委員です。時計係が手をあげるのが制限時間の合図で、呼出は力士に「時間です」と伝えます。仕切りが終わると行司は「待ったなし」と声をかけ、軍配を返せばいよいよ取組がスタートです。
取組を2番後に控えた力士は東西の土俵溜りに座ります。ふかふかの座布団を使えるのは実は十両以上で、幕下以下は座るのは使いまわしの綿なし座布団です。幕内の関取は座布団も色々なので、観戦に行ったときにチェックしてみても面白いかも。十両以上は、前の取組で勝った関取が土俵上の関取に清めの「力水」をつけるのですが、自分側の関取が負けたり、初口(最初の取組)の時は控えの関取が力水をつけてから控え席に座ります。ちなみに結びで控えがいない場合は付け人が力水をつけます。
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