相撲観戦に行こう
年6回ある本場所は他のスポーツで言うところの「公式戦」です。
十両以上の上位2階級は1日一番、つまり1日1取組を15日連続の計十五番、幕下から序の口までの4階級は2日に一番の計7番相撲を取って勝敗を競います。
取組1日目は「初日」、8日目は「中日」、最終日は「千秋楽」と呼ばれます。取組は階級が最も低い序の口から始まって、最後は幕内の最上位戦「結びの一番」で終わります。
力士たちは各階級での優勝と、半分以上勝利する「勝ち越し」を目標に戦い、次場所での番付上位を狙います。逆に半分以上負けて「負け越し」になってしまうと番付は下がり、番付次第で力士褒賞金と言われるボーナスが大きく変わってくるシビアな世界なのです。
「寄せ太鼓」が鳴り響いて開場します。太鼓を打つのは呼出の仕事で、寄せ太鼓は会場の外にある高櫓(たかやぐら)から30分もの間鳴り響くんです。
前相撲は、入門したての新弟子たちのいわば「練習試合」です。序の口の取組前にある勝ち抜け式の取り組みで、先に2勝した力士はその日の取組はおしまい。対戦する力士がいなくなった時点で終了です。場所の2~3日目から始まり、千秋楽まで続きます。
いよいよ番付に名前がある力士たちの登場!といっても下位なので、正直番付の名前は小さすぎてほぼ読めません。お客さんもまばらです。下位から取組が始まり、「序の口」「序二段」「三段目」「幕下」の順番で進みます。中日(8日目)の幕下取組後には、「新序出世披露」と言って次の場所から序の口に上がる力士たちの初々しいお披露目があります。
行事を先頭に、カッコイイ化粧廻しを付けた関取(十両以上の力士は「関取」と呼ぶ)が登場し、会場が盛り上がってきます。十両土俵入りは、幕下の取組がラスト5番になったところで始まります。
その昔「関所を名前パスできた」というのが由来で十両以上の力士は「関取」と呼ばれ、ここまでくれば一人前。取組も迫力満点で、立ち会いのぶつかり合いはすごい音がします。
実はNHK BSでは序の口から放送しているのですが、地上波のNHKでテレビ中継が始まるのはココからです。平幕と大関までが化粧廻しをつけて土俵に上がるのですが、人気の関取なんかは歓声が大きいのですぐわかります。初日と千秋楽には、十両ラスト三番の時点で相撲協会会長から「相撲協会ご挨拶」があります。
いよいよ大相撲最高位「横綱」の登場です。行司、露払い(つゆはらい)、横綱、太刀持ち(たちもち)の順に土俵に上がり、横綱独特の四股やせり上がりを見ることが出来ます。在位の長い横綱の土俵入りはオーラがありますよ!四股を踏むたびに観客席から「ヨイショ!」と掛け声がかかるのも納得の迫力です。
幕内土俵入りの後、休憩を挟んで待ちに待った幕内の取組が始まります。幕内は関取のタイプも色々でおもしろい!小さい関取でもスゴい技を持っていたりします。千秋楽には「三役揃い踏み」という儀式があり、残す三番に登場する関取が東西から3人ずつ登場し、正面を向いて揃って四股踏みをします。
その日の最後の取組は「結びの一番」と呼ばれ、最高位の関取が土俵に上がります。通常は結びを務めるのは横綱ですが、横綱が休場などでいないときは大関が務めたりもします。
結びの後は弓取式・打ち出し・はね太鼓と続き、1日が終わります。弓取式は「勝者の舞」で、幕下以下の力士が高速で弓を振り回す様は見事の一言。ちなみに落としちゃった弓は足で拾わないとダメだそうです。拍子木をたたく打ち出しと、「明日もまた来てね」という意味のはね太鼓は呼出が担当します。
千秋楽は最終日なのではね太鼓はなく、優勝者インタビューや表彰式が執り行われます。
*時間帯は目安です。 日や場所によって変更になる場合もあります。
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