相撲の仕組み
紅一点にして相撲部屋の最大の裏方、それが師匠の奥さんである「おかみさん」です。関取と結婚する前は派手な業界で仕事をしていて美人おかみなんてはやし立てられたりもしますが、部屋の仕事は相撲以外ほぼおかみさんが支えていて、苦労も多いのです。食事の買い出しもおかみさんが付き添いますし、力士がケガをしたら病院まで連れて行ったり、稽古が辛くて逃げちゃった力士を家まで迎えに行ったり、時には力士の相談に乗ったりもして、まるで母のように力士の衣食住全ての面倒を見なければなりません。 力士の世話だけしていればいいかというとそういうわけではなく、部屋の経理も務めますし、隣近所との付き合いから後援者への挨拶やお中元・お歳暮・お礼状の発送、千秋楽の祝賀会や部屋主催のパーティーの招待状の発送から段取りまで他にも考えつくようなことは大体おかみさんがこなします。前に出ることはしなくても社交性は必須です。
色々と忙しい中で「おかみ会」なる集まりもあるらしく、一門を超えておかみさんが弟子の扱い方やメディアの対応の仕方など情報交換をすることも。別の部屋の親方同士が協力できるのも実はおかみさんが裏で頑張っているのかもしれませんね。 華々しく見えて実は縁の下の力持ち。部屋の関取が大関や横綱に昇進するときには、協会の使者を関取や師匠と一緒に迎えられるのもおかみさんがやりがいを感じられる場面の一つでしょう。まだ幼さの残る少年のころから面倒を見てきた力士が関取に昇進したり、大関や横綱になったりしようものならその嬉しさは計り知れないですよね。
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