相撲の仕組み

相撲教習所

新弟子は何も稽古だけを積めばいいというワケではありません。大相撲は日本の国技であることからもわかるように歴史が古くしきたりも多いうえ、力士としての礼儀作法など教養も身に着けなければなりません。新弟子たちに座学プラス実技でそんな教養を教えるのが力士の学校「相撲教習所」です。相撲教習所は国技館の中にあり、新弟子は月~金曜の午前中週5日、6ヶ月間ここに通って勉強します。

前半は実技、後半は座学で、終われば昼食を取って解散という構成なので、座学で居眠りしちゃう力士なんかもいますがそこは厳しく竹刀で起こされちゃうらしい。半年後卒業の時は成績によっては「皆勤」「優等」「精励」「特別」の4つの表彰があり、出席が足りなければもちろん落第。

幕下付け出しデビューだと教習所に通っている最中に関取になってしまう場合もあり、遠藤や逸ノ城がそのパターン。その時は通所が免除されるのですが、この2人はちゃんと卒業まで通ってました。外国人力士はここで日本語の読み書きも覚えなければならないので、在籍期間は1年となっています。

 

1.相撲史

相撲の起源と言われる古事記の神々の争いや日本書記の野見宿禰(のみのすくね)と当麻蹴速(たいまのけはや)の力比べから始まって現在に至るまで2000年以上にも渡る相撲の歴史を学びます。実技後にこれを聞くとなると眠くなるのも仕方がないかもしれません。
新人の行司・呼出・床山もこの座学を一緒に受けます。

2.運動医学・スポーツ生理学

大きな体で派手に動き回るのですから、相撲にケガはつきものです。ケガのない体作りのため、体の仕組みを人体模型を使って覚えたりするほか、普通のアスリートみたいなウェイトトレーニングとかもするのでスポーツ生理学も学んだりしているようです。

3.相撲甚句(すもうじんく)

相撲甚句は相撲独特の7・7・7・5のはやし歌。巡業などでは余興として披露されることもあります。
余談ですがカラオケが得意な勢の相撲甚句はピカイチです。

4.国語(書道)

国語では、習字や作文を学ぶのだとか。廻し姿で椅子に座って墨をすったり小さいペンで書いたりする姿はなんとも言えません。
外国人力士にとっては苦手でもなくてはならない教科です。

5.社会学一般

土俵の所作や儀式の意味、相撲道の精神など、力士としての常識や心得以外にも、人としての一般常識も学びます。

6.実技

四股やすり足、股割りなど相撲の基礎運動やランニングを行ったあとは実力と経験で3つにグループ分けされて稽古の開始です。
それぞれの土俵に分かれて、教習所担当の親方や現役の幕下力士による実技指導があります。この時に所作の指導もあります。
早朝から3時間かけて行われるので座学で寝てしまうのも納得。

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