詳細
両廻しを引きつけながら掴み、腰に力を入れ踏ん張って相手を吊り上げ、浮かせたまま土俵の外へ出す。相手の胴を直接掴む場合もある。太めの力士の場合、腹の上に乗せてしまうと、相手は反撃が難しくなる。吊り上げて土俵内で落として倒すのは吊り落としと呼ばれる。
なお、攻め込んでいても相手より先に土俵の外に足を出すと勇み足として負けになるが、吊り出そうとしているときは、相手の両足が地に付いていなければ、前へ踏み出した場合に限り自分の足が先に土俵から出てしまっても送り足として負けにはならない。後ろに踏み出した場合は完全に吊り上げていても負けとなる。土俵際に詰まった際に吊り上げながら体を替える時に相手の体重を支え切れずに足が下がってしまうと「持ち上げているのに負ける」が発生することがある。
がっぷり四ツになるといきなり土俵中央で吊り上げてそのまま勝負をつけてしまうこともあれば、土俵際でしぶとく残して寄り切りを決められない時に攻め手が吊り上げて決着をつける、あるいはその逆に受け手が吊り上げて逆転してしまうこともある。中央付近で吊り上げた場合土俵の外まで運び切れずに中で降ろしてしまい勝負をつけられないことも多々ある。また受け手が土俵際で逆転を狙う際には吊り上げながら土俵の外へ出してもうっちゃりと判定されることも多い。
吊りを得意とする力士同士の対戦では互いに相手を吊ろうとして土俵中央で踏ん張り合いになる場合もあり、観客も力のはいる場面である。明武谷-若浪-陸奥嵐の3者の対戦や千代の富士-若嶋津-霧島の3者の対戦などはそのような展開がよく見られた。
この技で相手に勝利すると「豪快な決まり手」と評価されることが多い。相手の体重が全て自分にかかる技であるため足腰が強くないと成立しない。またその性質上体格が劣る力士はこの技を掛けられやすい。
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